02_海外

楽園駐在 / Expat in Paradise

日本の10~20代若者の海外在住希望は海外と比べて内向き(2019.6.3 日経新聞朝刊)らしい。
そうはいっても就職活動における海外事業に関心を持つ学生は多い。
そして若手・中堅の従業員にとっても海外駐在は人気のポジションのようだ。

海外駐在のイメージは次のようなものではないだろうか。

・豪華な住宅
・送迎のドライバーと車
・新興国であればお手伝いさん
・英語またはその他の外国での仕事・生活
・休暇はゴルフ三昧または素敵なリゾート地で

確かに日本でサラリーマンとして生活することを考えると異次元の世界だろう。

送り出す会社も異国の地で従業員が心身ともに問題ない生活を保証する必要がある。
駐在員を1名出すのに1千万円~の出費を要するようだ。
ビザ等の事務費用から家財の引っ越し、日本での保管、現地での住宅費、その他健康・安全管理のための費用諸々がかかる。

会社としてもそれだけの費用を従業員に掛けるのは「投資」と言っていいだろう。
勘違いしてはいけないのは投資であってご褒美ではないのだ。
投資には成功もあれば失敗もある。

「投資」を受けた側も失敗は避けたいところだろうが、単純に自分にそれだけの価値があるのかというとそうではないことには留意しておきたい。
母国と違う生活に対する「サポート」でもあるのだ。

危険で衛生面に課題のある町、自由にモノが買えない、言葉が通じない、等様々なことが
スムースに進まないだろう。

職場ではコミュニケーションがうまくいかない。
休日も何をしてよいのか分からない。
定食を食べるところもない。
コンビニもない。
風呂は汚く、トイレはウォシュレットではない。

そう考えると上記の好待遇でなくても日本に「駐在」するのが一番の幸せと考えるのもありなのかもしれない。
企業がグローバリゼーションを掲げて久しいが、その言葉の意味を欧米にへりくだることと誤解していないだろうか。
日本は既に経済だけでなく、文化、社会、道徳などあらゆる面で成熟していることが分かると思う。

グローバリゼーションの在り方を考え直しても良いかもしれない。



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