半沢直樹の続編ドラマが7年ぶりに始まるとのことで復習がてら本も読み直してみた。
メガバンクを舞台にした経済小説とのことで、同じような規模の同じような業界で働く自分には多少なりとも感情移入できる要素がある。
書評と同じく、非常に面白いと感じた。
タイトルにあるとおり、主人公の半沢直樹はバブル時代に新卒として入社したとのことだが、自分との違いはそのバブルが崩壊し、いわゆる就職氷河期と言われる世代ということだろうか。
これは続編の「ロスジェネの逆襲」で登場する森山の感情が分からないでもない。
あらすじは実際に本を手に取るか、あるいは各種書評を参考にしてもらいたいが、仕事に意義を見出し、情熱をもって取り組み、更には勧善懲悪を実現できるなんて、とても素晴らしい会社人生だと思う。
幸か不幸か、自分の会社ではこのような不正はほとんど見当たらず、業務の社会的意義を表向きだけでなく、何ら疑問を抱くことなく、取り組むことができ、上司もまっとうな意思決定を行い、叩くべく悪もいない。
自分よりも能力のある連中がより責任のあるポジションに就き、その責任とプレッシャーに四苦八苦しながらも粛々とこなしている。
報酬は高いが、その責任と比較すると担当者の方がよっぽど割が良いと本気で思う。
従業員に対しては適材適所が行き届き、十分なサラリーを与えられていると思うので地位や金目当ての出世は求めない。
はて?これで良いのだろうか、と思ってしまうくらいうちの会社は平和でコンプライアンスの意識が高く、恵まれた会社だと思う。
ここまでいくと会社の仕組みがうまく回りすぎて、半沢直樹のようなヒーローは現れなくなってしまうのではないだろうか。