13_保険業界

保険ERM経営 vol.5 / Corporate Management for Insurers’ ERM

保険ERM経営の理論と実践(金融財政事情研究会)

MS&ADグループにおけるERM態勢

MS&ADグループのERM経営の目的はグループが保有するリスクを全社的視点で定量的・定性的に把握し、その特性を踏まえ「リスク」「リターン」「資本」をバランスよく管理し、経営することにある。

グループリスク選好方針

・リスクキャパシティを設定し、財務の健全性を確保する
・リスク、リターン、資本の一体管理を行うことで資本の十分性と効率性をバランスよく追及し、グループの目標とするAA格相当の財務の健全性の確保と自己資本利益率(ROE)7%の達成を目指す
・リスクポートフォリオの分散を図りつつ、保険引受リスクおよび資産運用リスクをテイクする
・グループ内に資本を配賦、し、リスク・リターンのモニタリングをし、経営計画の遂行を管理する

ERMのガバナンス

「ERM委員会」は持株会者の代表取締役がメンバーとなり、経営数値目標・重要指標を一元的にモニタリングする態勢を構築しグループの方向性を協議する目的で設置した。
持株会社はグループのリスクキャパシティ(時価純資産ーストレスバッファ)の範囲内でグループ各社のリスク選好・収支計画を勘案し、各社への資本配賦額を決定
経営計画とリスク選好方針は連動して同時に策定される。

資本十分性の評価とモニタリング

計測対象:グループ連結ベースを基本
リスク量の把握:保険引受リスク、資産運用リスクおよびオペレーショナルリスクのリスク量をVaR(信頼水準99.5%、保有期間1年)で計測する。
・ストレスバッファの設定:大規模な自然災害の連続発生や金融危機の再来などのストレス事象への対応、計量化できないリスク事象の発生への対応などを踏まえ、必要額(ストレスバッファ)を確保する運営としている。
資本配賦は「時価純資産ーストレスバッファ」をファンドとして実施。
モニタリングは四半期ごと、速報ベースでの月次、早期警戒の観点からの日次を実施。
リスクカテゴリーごとにリスクリミットを設定し、警戒ポイントを定めてモニタリングしている。

資本の有効活用

・戦略とリスク選好の連動、ORSAプロセスを活用したERMサイクルの構築
・リスク・リターン管理の高度化を図り、国際的な資本規制・監督強化の動きへの対応

自然災害リスクへの対応

資産運用リスクに次ぐ重要なリスクである。
集積データの品質の高度化と保険引受の強化を図るため、グループ内の報告用テンプレートを標準化。
集積額や集中度合いの「見える化」を進めた。
ハザードマップを活用し保険引受リスク管理およびアンダーライティングの強化に活用


出典:MS&ADホールディングスHP(画像にリンクを貼付)

(コメント)
まだAmazonのアフィリエイトを貼付できないので情報だけ。。。
タイトル:保険ERM経営の理論と実践
出版社 :金融財政事情研究会



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